BCCNー805(シニア技術者の活用)

BCCNメール受信者の皆様(下記3件のご案内です。)

1)シニア技術者の活用法
2)超シニア技術者
3)大学工学部学生の姿

1)シニア技術者の活用法

(ある排水処理技術専門家のご紹介)

社会保障制度維持のための方策の一つとして、
シニア世代の活用が話題になっておりますが、
いくら政府が笛を吹いても、一旦年金生活にどっぷりはまった方を
再び前線に立たせることは殆ど不可能に近いということを、
政策立案者の方々はご存知ないようです。

勿論、シニアの方々の中には年齢に関係なく
十分社会に通用される方々もおられます。
そのようなシニア技術者の活用について考えて見ました。

身近な事例として、私の知り合いの排水処理技術の専門家から、
このところやるべき仕事もなくなってきたので、
自分を活用してくれそうな企業を紹介して欲しいとの連絡がありました。

どのような活用法があるかを考えてみましたが、
私が考えたことは下記の二つのことです。

A.保有人脈を活用した営業サポート
この方は現在70歳台半ば、専門は電気分解による排水・廃液処理分野で、
自社開発装置を様々な大手企業さんに営業・販売されてこられ、
現在でも紹介可能とのことです。シニア技術者の活用法としては
技術コンサルタントもありますが、企業にとって何が一番欲しいのかと言えば、
製品の売り込み先の拡大ではないかと思います。

B.全体的な方向性の示唆
この方が専門とする排水処理ですが、排水処理といっても様々な技術があり、
また様々なニーズがあります。

技術を売り込みたい企業は自社が保有する技術で
すべて対処できるように言われることもありますが、
実際は様々な技術の組み合わせにより、コストも含めた最適な方法を
提案すべきと思います。

技術を売り込む立場ですと、どうしても自社技術にこだわってしまい、
最適な提案が難しい面があり、ユーザーサイドにたって
最適な処理法のありかたを示唆できる人が必要と思われます。
そのようなニーズに今回ご紹介する方は適しているように思われます。

(技術分野に関わらず、人脈を持った方の活用、
 あるいは全般的な方向性の判断などはシニアの方々の活用方法と思います。
 なお、上記方にご興味をお持ちの方がおられましたら、
 経歴及び紹介可能な企業名などの資料をご提供致します。)

2)超シニア技術者

前号で(鉄鋼部品加工における熱処理の小ロット化及びインライン検査化)で
ご紹介させて頂きましたお二方は、いずれも80歳台の方です。

私は戦後の日本復興の原動力になったのは、この超シニア世代の方々で、
私のような団塊の世代の社会生活は、超シニア世代がひいた線路に乗り
ただ一生懸命働けば良いという時代を過ごしたような気がします。

このお二方の現在の状況は:
A。熱処理のインライン非破壊検査技術、に関する技術をお持ちの方
夏休み中SCC(粒界腐食)検査実験をしてました。

保温材付き配管、保温材厚み50ミリ、外板は0,3ミリの鉄板です。
始めは直接センサをTPに接触させてもなかなか検出はできずでした。
原因を調べましたところ、使用XXが問題であることが分かりました。
保温材配管SUSのSCCはクリアしました。

保温材付配管検査(CUI)については腐蝕減肉、ピンホール、
クラック、溶接線の区別を付けることができました。
この検査方法は当社オリジナルです。

ただ、経済的理由で専用器にはなっておりません。
ご検討宜しくお願い致します。

B。「小バッチ」で浸炭焼入れ処理を連続的に処理、を提案された方
近況:仕事は正式にはやめたのですが,どうも代わりがいないとのことで,
(そ んなことはないはずと思うのですが?)アメリカ,インドのアドバイザーは継続。
Dutyではなく趣味みたいなもので楽しくやらせて頂いております。

金属の表面における第三の物質とのかかわりはまだまだ未知の分野です。
だから面白いのです。

(お二人とも何歳になっても技術開発の面白さから離れられないみたいですが、
このようなお方は絶滅危惧種になってきたようで、この世代の復活は
あり得ないと思われます。それでは現在の学生の状況はどうなっているのか、
ある国立大学関係者からのコメントを下記にご紹介させて頂きます。

3)大学工学部学生の姿

最近の経営者はメーカー系でも、
「技術なんて買って来ればよい。」
「技術者なんて、その辺の畑に自然と生えている。」
と思っている方が大半です。

まだ、金出して買おうとするならマシな方で、
「あわよくばタダで。」
とか言ったりします。

そのような方は
「誰かが苦労して育てている、もしくは苦労して育って来るものだ。」
ということが全く想像できないようです。

これは育つ側の若い連中も似たようなもので、
最近の学生は工学部の教室にただボケっと4年間座っていれば
エンジニアになれるとか、本気で思い込んでいるのがいますから。

どんなに「理屈はこうだヨ」と教えても、そんな本質には全く興味を持たず、
ただ単位を取るために演習問題の解答を丸暗記。
「一寸変化球投をげられたらアウト」ということが全く想像できないようです。

私も最近、義母が残していった畑に作物を植えて育てているのですが
「育てるのも、育つのも苦労が必要だ」
というのが良く分かります。

もちろん育てる側は、苗が弱って居れば水やりや施肥に苦心することになりますし、
苗は苗で渇水などの試練がないと水のあるところまで根を伸ばそうとしません。
すなわち安楽もしくは安易さからは何も育たないということです。

小林さんは日本企業や大学が韓国化することを懸念しておられるようですが、
日本からは必死になって根を伸ばそうとした時代は過ぎ去ってしまったようです。

そして安楽の中に悪い気質が姿を見せ始めます。これは日本や韓国のみならず、
やがて中国にも起き得る問題ですから、あまり心配しすぎる必要はないかと。

(確かに心配してどうにかなる問題ではないと思いますが、
でも沈んで行くのが分かりながら何もできないのかと悩んでしまいます。

重要なポイントは広義の教育改革であることは間違いないことだと思います。
また、如何にして適度なストレスを与えるのかを考えることも重要と思います。

いくらストレスから逃れようとしても、だれもストレスから逃れることはできなのであれば、
適度なストレスを与えることは有用だと思います。

簡単に自殺するようなことのない子供に育てるために何が必要なのでしょうか?
私は適度なストレスを与えて耐性をつけさせることは大事なことではないかと思います。)

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